ばらのお話

ブルガリア産ダマスクローズ


世界には2万種類上ものバラがあり、最も香り高いといわれているのが、ダマスクローズです。その中でも、ブルガリアの「バラの谷」と呼ばれる地域でとれるダマスクローズは特に高品質といわれ、約3kgのバラの花からわずか1gしかとれないローズオイルは、大変貴重なものです。


ブルガリア「バラの谷」


ブルガリアの首都ソフィアから東へ約140km。ブルガリアの中央を東西に走るバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈にはさまれた穏やかな平原地帯にある「バラの谷」。この広大な谷でダマスクローズは栽培されています。
水はけがよく、酸性度の高い土壌と、開花時期である5月〜6月にかけては雨の日が多く、湿気の高いこの地特有の気候が、香りの高いバラをつくるといわれています。
この大自然で生まれるブルガリア産ダマスクローズこそ、世界で最も香り高いバラと評価されているます。


ひとつひとつ大切に手摘みされる


ダマスクローズの優雅な香りは、ブルガリアの恵まれた自然だけでは生まれません。ダマスクローズが世界中の人々に愛される秘密は、その収穫方法にも隠されています。ダマスクローズの収穫は、薄暗い早朝から始まります。それは、日光にあたるとバラの香り成分が蒸発するため。さらに驚くことに、収穫には機械を一切使わず、人の手によりひとつひとつ丹念に摘み取っていくという、気の遠くなるような作業が行われているのです。こうして摘まれた花々は、その日のうちに工場に届けられ、蒸溜されてローズオイルとなるのです。


クレオパトラも魅せられたバラ

世紀の美女、クレオパトラがバラをこよなく愛したのはあまりにも有名な話。クレオパトラが意中の男性アントニウスを射止めるため、ローマからやってきた彼を迎え入れるのに、廊下いっぱいに敷き詰めたというバラの花びらも、実はダマスクローズだったとか。その香りに、アントニウスはすべてを忘れてクレオパトラに身も心も奪われたのでしょうか。


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